地方自治の本旨」(日本国憲法九十二条)とは、
団体自治と住民自治である。

住民自治を支える仕組みとして、
地方自治法七十四条以下は、住民に直接請求を用意している。






直接請求の一つが、解職請求(地方自治法七十六条以下)。

またの名を

リコール

地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)が、
日本国憲法制定・公布に合わせて、
制定・公布されたときから存在する制度。

さて、日本国憲法制定・公布の頃、
昭和22年8月当時の市町村数は、
10,505
(市210、町1,784、村8,511)。

それから半世紀以上後、
平成26年4月当時の市町村数は、
1,718
(市790、町745、村183)。

言うまでもなく、リコール成立のためには、一定数以上の住民直筆の署名が必要とされている。

この一定数は、住民の数が増えれば、増える。

結果、人口規模の大きな自治体であればある程、
リコール成立は困難となる。

その結果は、住民自治の形骸化

その果てには、
首長の暴走

住民の諦観

市町村が一万以上存在した、
日本国憲法制定時には、想定されていなかった事態。

昭和の大合併の契機となつた町村合併促進法(昭和28年10月1日 法律第 258号)は、
https://www.soumu.go.jp/gapei/gapei2.html
にある通り、サンフランシスコ講和条約後。

住民自治の形骸化
言い換えるならば、
憲法の想定を超える事態
が既に始まっていた。

リコール成立の困難さは、市町村だけでなく、都道府県でも増している。
戦後の人口増ゆえに。大半の都道府県では、日本国憲法公布時よりも人口が多い。


リコール成立は地方政治だけでなく、中央政治にも影響を与える。
そのため、リコール制度やその要件を法律事項としている限り、
リコール成立要件の厳格化は避けられない。

リコール成立要件の厳格化が
住民自治の形骸化首長の暴走住民の諦観という事態を招くことは上記で述べた通り。


それから、リコール成立要件に際して、
署名の有効性は集める側にとっても、審査する側にとっても、厄介な問題。





したがって、
リコール制度とその成立要件を、憲法で明文化すべき。、
かつ、リコール手続きに電子署名を利用できる旨も明記されるべき。


関連 



ちなみに、「リコールに反対」という主張は、
地方自治の本旨」(日本国憲法九十二条)と相容れない事を、付け加えておく。
なので、



日本国憲法に違背したツイート(表現の自由の範疇か否か、は検討を避けておく。このブログは、統治分野専門なので)。

なぜ、解職への入口に過ぎないリコール(解職請求)を阻止しようとするのか、不可解。
そもそも、リコール(解職請求)を阻止しようと画策する連中は、



のように、「地方自治の本旨」(日本国憲法九十二条)の一つ住民自治民主主義と相容れない動機に基づいて画策するもの。

(上記記事の署名縦覧は、特に小さな自治体における大きな障壁です。この記事で提案した電子署名の利用で解消できる障壁です。)
ところが、

#大村知事リコールに反対します

を主張する連中は、「地方自治の本旨」(日本国憲法九十二条)どころか、民主主義の本質すら理解していないのでは?

「敵の敵は味方」だから「味方に付こう」と動いていては、
いずれ矛盾の沼から抜け出せなくなる。

ならば、筆を積み上げて見せよ
と悠然たる態度が望まれる。